メイン PC を Windows から Mac へ乗り換えた
メイン PC を Windows から Mac に乗り換えて 2 週間ほど経過したので感想などを書いてみる。
なぜ乗り換えたのか?
2011 年から仕事で iOS アプリ開発へ携わり Mac を利用するようになった。
はじめての開発ということもあり職場環境だけでは心もとない。そのため自宅にも学習用サブ機として MacBook Air 13 インチを購入。さらにアプリ動作の確認用に iPad、iPod touch と買い足してゆくうち次第に Apple 製品へ惹かれていった。
前からデザインや設計思想に憧れるものの実用性なら慣れ親しんだ Windows だろうと考えていた。しかしいざ利用してみると実用十分であり、こと Web 開発においてはツールの充実もあって Mac のほうが好ましいと感じられた。
Web 開発のターゲット環境は UNIX 系 OS を採用することが多く CUI の操作体系やディレクトリ構成やパーミッション管理の似ている Mac は親和性が高い。UNIX 系でおなじみのツールも MacPorts や Homebrew で手軽に揃えられる。こうした状況もあり iOS 開発を目的に導入した Mac は Web 開発にも重宝した。
また iDraw の紹介記事でも書いたとおり Mac App Store には廉価で高品質なアプリが非常に充実している。これらを購入するうちに Mac へ慣れ親しみ移行の素地が敷かれた感がある。Bootcamp や VMware を利用すれば Windows 資産も引き継げることもあって機会があれば Mac へ乗り換えたいと考えていた。
そして今年、これまでメイン PC として利用してきた Windows ノートが絶不調になった。
購入当初よりブルースクリーン頻発の大外れマシンである。2 度の修理を経て解決したものの、ここ数ヶ月ほどは週に 1 度ぐらいの頻度で OS を巻き込むフリーズが発生するようになっていた。おまけに内蔵無線 LAN もハードウェア的に壊れたらしく有線 LAN の使用を余儀なくされていた。すでに 2 度の修理を経てこれだから限界なのだろうと諦めた。
ほとほと困りかけていたところ 2 月に MacBook Pro 15 Retina の 2 代目が発売された。まさにグッドタイミング。これぞ乗り換えの好機!と感じて購入を決定。
購入したもの
乗り換えにあたり購入したものの価格や使用感についてまとめる。なお、価格は購入時点のものなので変動している可能性がある。
MacBook Pro 15 Retina ME665J/A
項目 | 内容 |
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製品ページ | MacBook Pro Retinaディスプレイモデル |
購入店舗 | レッドキングオンライン |
購入価格 | ¥216,260 (注文した 2013/3/27 時点の価格、手数料も含む) |
これまで Apple 製品は公式ストアで購入していた。しかし今回のモデルは高額なうえ価格.com 平均と 5 万円ほどの差がある。そのため後者をあたることに。購入の検討に際して信頼性の判断はショップのレビューと安心支払いサービスの有無を参考にした。
レビューは 5 項目の設問と購入商品の情報、コメント欄で構成されている。過去にトラブルのあったショップは設問でダメ出しをもらい、次にコメント欄で問題が詳細に指摘される。金銭が絡むためか指摘は具体的であることが多く、わりと辛辣な内容でも掲載され続けているため信頼に足ると判断した。
保険として安心支払いサービスのサポート状況を加味している。これは手数料こそ掛かるものの取引に価格.com が介在して信頼を担保するというサービス。
今回は利用しなかったけれどショップ側がサービス介在を認めてまでも信頼性の担保に努めているというのは評価できる。特にクレジット カードのサポートは大きい。信頼性と価格において比肩するショップもあったのだが最終的にこれが決め手となった。
購入に際しトラブルはなく注文~発送までの流れもスムーズ。気が向いたら私も価格.com にレビューを書くかもしれない。
Freecom Mobile Drive Sq 外付ポータブルハードディスク 1TB 2.5インチ
項目 | 内容 |
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製品ページ | モバイルドライブSq - 外付けHDD 2.5インチ USB3.0 |
購入店舗 | Amazon.co.jp |
購入価格 | ¥9,394 |
最近まで 600GB 3.5 インチの外付け HDD を使用していたのだが、そろそろ 5 年目となり耐久性が心配。空き容量も不足してきたので Mac と一緒に乗り換えることにした。
Freecom の外付け HDD には Sq のほか Mg というのもありデザイン的にはそちらの方が好み。しかし容量と価格で Sq を選択。購入時点では Amazon で定価の半額ほどになっていた。それにしても Amazon は極端に安かったり稀に定価より高かったりして値付けの基準が謎である。
Mac 用ということで HFS+ フォーマットだと予想していたのだがマウントしてみたら FAT になっている。Windows との共用を考えたら妥当な仕様といえるけどジャーナリングがないのは不安なので HFS+ でフォーマットし直した。
デザインが洗練されており見惚れる。Sq の外装は金属製だが Mac 系のアルミとは異なりステンレスとなっている。私は Apple SuperDrive の上に置いているのだけど質感の違い (Sq のほうが明るめ) がアクセントになり趣がある。
これまで購入してきた外付け HDD は安定性を考慮して AC アダプター形式の製品を選んでいた。しかし Sq を利用してみてバス パワー駆動もよいものだと思った。今のところトラブルもなくケーブルが減り非常にスッキリ。今後はよほどのことがない限りバス パワー駆動を選ぶと思う。
それと静音性がすばらしい。5 年前の HDD と比べるのもなんだが Sq は動作しているか不安になるぐらい静かだ。いまどきの HDD ってどれもこんな感じなのだろうか?
総じて満足度の高い製品であり買ってよかった。
VMware FUSION 5 & Windows 8 DSP 版
項目 | 内容 |
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製品ページ | VMware Fusion、Windows 8 DSP 版 |
購入店舗 | Amazon.co.jp |
購入価格 | VMware Fusion 5 ¥4,254、Windows 8 DSP 版 ¥10,489 |
Mac へ乗り換えたとはいえ従来の Windows 資産を利用したいし Windows 用のソフトウェア開発をする機会もあるだろう。というわけで購入。この組み合わせで購入されることが多いためか Amazon でもセットを推奨してくる。
VMware FUSION は Bootcamp 領域の Windows も利用可能だが Microsoft は 2013 年 1 月にライセンス改訂し、仮想環境として利用する場合は 2 ライセンス必要となったので断念。仮想環境のみとした。Windows を動かす VM は以下のように設定。
項目 | 内容 |
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プロセッサ | 2 個のプロセッサ コア |
メモリ | 4GB |
ディスク サイズ | 60GB |
その他 | 2GB ファイルに分割を OFF、フロッピー ドライブを OFF |
これで YouTube を BGM 代わりに再生しながら Visual Studio 2010 をデバッグ実行したりしているが動作はサクサク。いまのところストレスを感じることはない。
Mac とのデータ共有は外付け HDD を共有ドライブとしてマウントすることで対応。VMware FUSION の機能で有効にすると Mac 上のドライブが Windows 上へネットワーク ドライブとしてマウントされる。実際はひとつの Mac 上で繋がっているためかパフォーマンス的にもローカル HDD 感覚で操作可能。外付け HDD としてもマウントさせられるけど Mac/Win 間で HDD が排他されるため同時使用できない。
VMware FUSION で Windows を利用するならウィンドウやフルスクリーンの他にユニティというモードもある。これは Windows 上のウィンドウを Mac 上のものとして表示するもので Dock や Mission Control の管理対象にもなる。非常に面白い機能ではじめはこれ中心でゆこうと考えていた。しかしそれぞれを試した結果、フルスクリーンが最も使いやすかった。
私が Windows を利用する場合、Visual Studio や Office などの重量級アプリはフル スクリーンにすることが多く、それ以外のアプリもだいたい大きめなウィンドウ サイズにする。アプリ切り替えはタスクバー or Alt + TAB 派なので個々のウィンドウはなるべく広く使いたい。
そうなるとWindows もフル スクリーンにしたほうが都合がよい。また、Mac のフルスクリーン操作は快適で Mac/Windows 切り替えが Mission Control やトラックパッドの水平スワイプにより一瞬で済む点も気に入っている。
旧 Windows 環境からの移行については特に苦労はしなかった。
近年、主要な機能は Web サービスに移行しているためアカウント情報さえあれば環境構築も容易。パッケージソフトで入れたものは Visual Studio と Office ぐらいのもので、その他はダウンロードとファイルコピーで十分だった。
この辺の考え方は Windows から Windows の移行でも同様。移行作業を繰り返すうちに自然と環境依存を避けるようになっていた。アプリを選ぶときも設定にレジストリを利用しないとか、なるべく標準設定で使いやすいことを判断基準にしている。
昔は環境構築に数日はかかったものだけど今や数時間ほどの作業である。時間がかかるのも DVD からのソフトウェア インストールぐらい。今回もスムーズに移行できた。
Paragon NTFS for Mac® OS X 10 & HFS+ for Windows 10
項目 | 内容 |
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製品ページ | Paragon NTFS for Mac® OS X、Paragon HFS+ for Windows |
購入店舗 | Paragon オンラインショップ |
購入価格 | ¥3,150 (Paragon オンラインショップのセット購入価格) |
この製品は Mac で NTFS、Windows で HFS+ をネイティブのファイル システム感覚で操作するためのドライバ。Windows 環境で利用していた外付け HDD が NTFS、Mac 用に新調した新 HDD は HFS+ となので、これら両方の管理用に購入。
動作についてはまさにネイティブ。アクセスは早いしファイルやフォルダの読み書きも問題ない。ただし今回は新旧の HDD 移行にしか使わなかった。旧 Windows 機に HFS+ をインストール、その環境で移行作業は済んだ。そう考えると HFS+ 体験版 (10 日間の制限つきで読み書き可能) で十分だったかもしれない。
せっかく購入したので Mac と VMware 上の Windows それぞれにインストールしたけれど、いつか役立つ日がくるだろうか?
Apple USB SuperDrive MD564ZM/A
項目 | 内容 |
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製品ページ | 見当たらず (仕様などの説明は Store の方にしかない?) |
購入店舗 | Apple Store (Japan) |
購入価格 | ¥6,800 |
現行 MacBook Pro では光学ドライブが廃止されている。しかしパッケージ ソフトウェアのセットアップや CD リッピングなどで必要になるため購入。Amazon で買うつもりだったがなぜか定価より高いので Apple 公式ストアを利用。
Apple Store のレビューに傷がつくというレポートがあり少々、不安である。また USB ケーブルが直付であるため断線したときは交換ではなく修理になる。とはいえ私の用途なら同じメディアを何度も挿入する機会はない。実際に VMware FUSIO や Windows 8 DSP 版のセットアップに使ってみたがとりあえず傷については問題なさそう。
ケーブルについては特に根本あたりへ負荷をかけると危なそうな感じ。バッグに携帯するときなどは注意したほうがよい。いまのところ自宅でしか利用しないだろうけど消耗品であるケーブルを交換できないのは不安を覚える。
BD サポートについてはせめて再生だけでもあればなぁぐらいの気持ち。光学メディアの書き込み速度で大容量を書き込もうとは思わないので記録についてはどうでもよい。しかし TSUTAYA で借りた BD を Mac で再生できたら嬉しいかも。
とはいえ Apple として映像系の提供は iTunes Store や Apple TV を推進するだろうから今後も BD には期待するのは難しそうだ。
乗り換えてみた感想
既に Mac を 2 年ほど利用していたせいか Windows から移行しても違和感は想定よりも少ない。
今の環境ならスワイプひとつで Windows を呼び出せるから困ったらそちらで作業すればよいという安心感もある。といっても今のところ利用するのは Visual Studio や Office ぐらいのもので、ほとんどのアプリは Mac で代替できてる。
むしろ前のマシンで利用していた Windows 7 から 8 への変化に戸惑うことが多い。Mac が iOS の文化を Lunchpad や Mission Control といった機能追加で導入したのに対して Modern UI 系はスタート メニューを置き換えた上、デスクトップと操作体系が分断されている。
2 週間ほど利用してみてチャームやスタート画面の機能を理解してきたものの、従来のスタート メニューと比べて使いにくく感じる。VMware FUSION で利用するとスワイプがホイール スクロールになるためスタート画面をタブレット感覚でスクロールできるのだが、マウスだとかなり違和感ある。
MacBook 15 Retina に乗り換えて特によかったのは Retina ディスプレイの美しさ。特に文字の描画は素晴らしくテキストの多い Web サイトだと印刷物のように感じられる。微細な文字であっても目を凝らすことなく読めるので疲労の度合いも小さく感じる。これはディスプレイが低反射なことも関係しているのかもしれないが。
それだけに Retina 対応していないアプリが非常に気になる。iOS アプリに関しては初 Retina の iPhone 4 から数えて約 3 年ということもありだいぶ対応が進んだ。しかし Mac アプリに関しては App Store へ公開されているもの以外だと未対応が散見される。メジャーなものだと XnView とか。
こういうアプリはとりあえず .app 内の info.plist に手動で NSHighResolutionCapable を加えて対応させている。画像についてはどうしようもないがテキストが綺麗に表示されるだけでもかなり見やすくなるので。
Web サイトはまだまだ未対応のところが多く、画像中心だとぼやけて見辛い。
画像表示を Retina 対応させるなら高解像度版の画像を用意したうえで HTML や CSS でそれを参照するようにするのだけど、けっこう骨の折れる作業である。このブログもいつかは対応したい。いまの WordPress テーマで利用している画像はアイコンぐらいのものだから Web フォントによる置換で済ますしてしまおうか。
そういえば iDraw 以降に導入したアプリの感想とか書いてなかった。今後ぽつぽつと Mac に関する記事が増えるかもしれない。
Comments from WordPress
- りんもん 2013-05-09T03:53:14Z
こんにちは、はじめまして。今回、読み始めさせていただきました。Macでも僕も何も困っていませんね。何もというのは語弊があるかな。一部の銀行ではWindows系で無いと使えないものもあるので。