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HEAR NOTHING SEE NOTHING SAY NOTHING

自動車教習所を卒業した

October 19, 2014雑感自動車教習所

昨日、自動車教習所の卒業検定に合格した。記念と振り返りのため印象に残ったことを記録しておく。

教習期間

8/26 から通いはじめたので期間としては一月半ちょっと。普通自動二輪車免許を所持していたため最短で学科 2 時間、技能 29 時間の教習となる。

学科は高速教習と危険予測で計 2 時間、技能は 1 段階の所内教習 10 時間、2 段階の路上教習が 19 時間。ただし技能教習は 1 日に受講できる時間に制限がある。1 段階では 2 時間、2 段階になると 3 時間となるが連続教習は 2 時間まで。

私は 1 段階で 1 時間オーバーして技能教習は計 30 時間となった。理由は 1 段階 2 時間目の実車運転で不安を感じて復習を申し出たため。半端な理解で先へ進むと危ないだろうし特に初期の教習内容は全体の基礎になるだろうから、しっかり身につけておきたかった。

今にして思えばこの判断は正しかった。技能の習得だけでなく不安を感じたら復習するという前例を作ったおかげで気持ちもずいぶん楽になった。

予約合戦

私は 9 月いっぱいまで長期休暇を取得していた。また世間的にも夏季休暇は 8 月から 9 月半ばで終わるものだから技能予約について全く心配していなかった。そのため教習所の入校時には最安コースを選択。

このコースでも最大 4 時間まで予約を入れられるし 9 月に入れば平日は閑散とするだろうと予想していた。教習所としても例年は 9 月あたりが閑散期となるらしいが今年はなぜか 9 月入校が多くて激しい予約合戦がはじまった。

とにかく予約がとれない。せっかく都合のよい日程でキャンセルが出ても 4 時間の制限によって諦めなくてはならないことも多い。特に連続教習を取りにくいのがきつい。

教習の期間が空くと身につけたことを忘れやすくなる。路上教習においてはそれが運転の恐怖につながる。そのため技能教習は短期間に連続で受けてゆくのが望ましいのだけど、そう考える教習生は多いのだろうか?予約が連続で空くことはほとんどなかった。

さいわい 2 段階へ移行する時にコース変更が可能なので追加料金を支払って予約入れ放題コースを選んだ。2 段階は 19 時間も教習があるためこのコースはかなり有利である。まず 19 時間分の予約をすべて入れておき、よさそうな日や連続教習にできそうな時間にキャンセルが出たら即効で予約を入れ替えるようにした。

教習所はインターネット予約をサポートしているため暇さえあればブラウザで予約を確認。よい予約がとれると思わず顔がほころぶ。はためには挙動不審だったことだろう。

もし最安コースのままなら 10 月でも卒業は難しかったかもしれない。予約入れ放題コースは最安に比べて 2 万ほど高くなる (2 段階目で変更だと半額) ため教習所として薦めにくいのかもしれない。しかし予約状況を踏まえて含めて説明すれば、こちらで契約する人も多いのではなかろうか。

すくなくとも私はそうしていたと思う。

指導員

教習所は指導員が厳しく、ときに辛辣な言葉を浴びせる印象があった。実際、私が自動二輪免許をとったときもそういう指導員がいたし世間的なイメージもそんな感じだったのではないか。こうした態度は乗り物の危険性を理解させるための必然と思っていたのだけど、今回の教習所で出会った指導員は丁寧で腰の低い方が多かった。

ある指導員いわく、そういう教育が徹底されているそうだ。卒業式で配られたアンケートにも指導員の良し悪しについて記入する欄があった。とはいえ、これは指導員を抑圧するものではなく効率のよい教習をおこなうための方針なのだという。

たしかに怒りや煽りの効果は疑問である。むしろ反発か萎縮を招くだけではないか。そして前者ならまだコミュニケーションを続ける余地があるけれど後者のパターンは最悪だ。その教習を大過なくやり過ごすことだけに注力して不明点があっても質問せずに黙りこんでしまうだろう。気の弱い人なら恐れによって運転が不安定になり事故を引き起こすかもしれない。

数人、昔気質というか非常に手厳しい指導員がいたけれど無体な言葉を投げかけることはなかった。険しい表情をしながらも丁寧に細かく問題点を指摘してくれたので感謝している。そういえば教習原簿に注意書きをしたのも、この方々だけだった。

弱点を的確に指摘されると凹むものだけど後になってそれが重要だと気づく。原簿の注意書きは後の教習で特に強く意識した。このことで失敗を防げた場面も多かったと実感している。

ただ、他の指導員に比べるてアンケート受けはよくなさそうなので心配だ。数時間に一度ぐらいはこういう方の教習を受けるのも勉強になってよいと思うのだが。

自転車

路上教習において最大の難物は自転車。警察やマス メディアによる周知の賜物か、ここ 5 年ぐらいで車道を走る自転車はかなり増えた。これは軽車両としてあるべき姿だが遵法精神を欠くというか悪質な運転をする自転車が多くて現時点では危険が増えただけな気がする。

リテラシーをもっていそうなロード乗りですら、左側通行はおろか信号すら守らなかったりする。ときには道路を斜めに横断しようとするなど、路上教習の最中に事故を覚悟するような場面が多々あった。

そういえば卒業検定の時も横道から猛スピードで自転車が飛び出してきて冷や汗ものだった。こちらを一瞥することもなく横切っていたので、自転車側としては自動車が来ることなんてまったく意識していなかったのだろう。さいわい車速が遅く距離も数メートル空いていたのでやり過ごせたけれど、もう数秒はやく到達していれば確実に事故っていた。

かくいう私も自転車のルールを段階的に学んだクチである。さすがに自動車の進路妨害をするような運転はしなかったが、原則として車道を走ることや左側通行などのルールはスポーツ車 (MTB) へ乗るようになってから知った。

私が悪質な運転と感じた人たちも意図的にそうしているわけではなく知る機会に恵まれなかっただけだろう。なにしろ自転車は免許いらず。とはいえ路上を共有するのだから可能なら免許制、それが難しければ義務教育に法を踏まえた自転車教育を取り込んだほうがよいのではなかろうか。

最後に

30 代後半で自動車教習所へ通うことになるとは夢にも思わなかった。しかし今だからこそ楽しめたこともある。

自動二輪免許を取得した当時は学生であり、教習は単にクリアすべき目標と捉えていた。けれど勤め人としてみると限られた時間で一定の技能を担保するための方法として教育カリキュラムの組み方や指導員の姿勢が参考になる。この知見は業務の研修などに役立つだろう。

教習所の環境についても興味深い。通い始めたときの記事にも書いたが PC を積極導入していたり (OS は XP だけど) インターネット予約が非常に便利とか学科を反復学習するための Web システムがあるだとか。アナクロで不便な場所を想像していたため、よい意味で期待を裏切られた。

総じて非常に楽しい一月半であった。

機会があればまた通いたい。アンケートにもそういう項目があったので大型二輪の限定解除をマークしておいた。いつになるか分からないが、その時にはどのような印象を受けるだろうか。

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