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ボドゲ記 6 - マーダーミステリー Rabbithole on LINE

September 05, 2020イベントボドゲ

ボドゲ記 6。今回は Rabbithole 主催のマーダーミステリーを 19:00 - 22:00 までプレイした。

会場と参加者

前回のリトルケイブ新宿御苑店で遊んだ際、新宿南口店もあると聞いたので次の候補として検討していた。しかし新宿なら他にもボドゲカフェがあるのではないか?交通至便でメンバーが集まりやすいから別の候補も探しておくか、ということで見つけたのが Rabbithole 新宿店。

ボドゲでは最近、マーダーミステリーというジャンルが人気を博しているようだ。Rabbithole はその専門店。178 さんによれば王府百年というマーダーミステリーをプレイしたらしく、激推しである。私はこのジャンル自体が初めてだし、新しいボドゲカフェを開拓したかったのでここに決めた。

178 さんが予約してくれて日程や参加方法が連絡された...のだが今回はなんとオンライン開催とのこと。え、どうやって?Zoom とか Google Meet でも使うのだろうか?それとも専用アプリ?などと予想していたら LINE を利用するのだという。しかもビデオ通話ではなく音声通話。はたしてこれでゲームは成立するのだろうか?

参加者は 7 名で内訳は 178 さん、マサヨさん、私と他 4 名。「他」の方たちは名前を出してよいのか確認するのを忘れたので伏せておく。といってもマーダーミステリーはネタバレ厳禁につき、本記事では参加者やプレイ内容そのものへは言及しないだろう。

マーダーミステリーについて

マーダーミステリーはその名のとおり殺人事件を題材とした推理ゲームである。解説としては以下の記事がわかりやすい。

今回プレイするゲーム「ループ探偵の憂鬱」もこの紹介記事のとおり、

  • プレイヤーは登場人物になりきり
  • 犯人を探す、または犯人として逃げ切りつつ (メイン ミッション)
  • 登場人物としての個人的な目的成就を目指す (サブ ミッション)

という進行となる。

プレイ所感

マーダーミステリーは登場人物の設定とシナリオが非常に重要で、わずかにでも言及したら台無しである。今回のプレイについてブログへ書くことは Rabbithole の担当者に許可をとったが、ネタバレは避けるようにと頼まれた。私もそう思うし既プレイ者用に LINE に専用のオープンチャットがあるので、ネタバレありの考察などはそちらで楽しむべきだろう。

それでも書くことはある。LINE を利用したゲーム進行は非常に興味深いものだった。ここからはそれについて書く。

「ループ探偵の憂鬱」をプレイするにあたり、LINE へ専用のグループが用意される。メンバーはプレイヤー 7 名 + GM (ゲーム マスター) となる Rabbithole スタッフの計 8 名。グループへ参加することでプレイヤーに GM の LINE アカウントが見えるのでフレンドを設定する。

これで GM とプレイヤーの個人チャットが可能となった。登場人物の台本 (PDF) 配布など、他のプレイヤーから秘匿したいやりとりはここでおこなわれる。うまい仕組みだ。この方法なら複数プレイヤーを相手にしても一人に専有されることはない。LINE ならではといえる。

台本はゲーム進行そのものに影響する情報なので、プレイ前日に配布されて読み込んでおくように依頼された。私は高泉という老執事の役。どんな人物かは実際にプレイのうえ確認してほしい。他も一癖も二癖もある者ばかりだが、私は台本の時点でこの人物を選べてよかったと思えた。

当日 18:30 ぐらいに LINE グループへ入る。チャットで簡単に挨拶など。その後、グループで LINE 通話へ。軽く雑談した中、やはり LINE 通話でゲームになるのかという期待と不安が聞かれた。

定刻 19:00、GM が通話に入りゲーム開始。基本的な世界観と事件のあらまし、ゲーム進行について説明される。台本に登場人物ごとのカードが掲載されていて、これをどう使うのかは謎。LINE のチャットにメッセージでも書くのだと予想していた。しかし実際にはもっと洗練された方法であった。

  1. LINE アルバムを利用する
  2. アルバムには全カードが裏返された状態で共有されている
  3. 登場人物は自分の番になったら推理のためにめくりたいカードを指定
  4. GM は対応するカード表面の画像をアルバムに追加
  5. GM は対応するカード裏面の画像をアルバムから削除

画像を共有して、それらを追加と削除すれば「カードめくり」を表現できるというわけだ。原始的ながら実にうまい。LINE アルバムは追加された画像が先頭になるため、情報としてのわかりやすさも抜群。一本、取られた。

マーダーミステリーによってはプレイヤー間が個別に会話、例えば犯人と共謀する、ということもあるそうだ。しかし「ループ探偵の憂鬱」は常に全員がいる場でのみ会話をするように設計されているとのこと。そのためグループ通話だけで進行可能となっている。これが通話機能の制約によるものなのかは不明だが、共有された場でのみ進行するほうがプレイヤーとしても状況把握しやすくてありがたい。

プレイヤーはテーブルにつき、時計回りにターンが進む。自分の番になったらアルバムから真相究明に役立ちそうなカードを選ぶ。この間、自由に会話をしてもよい。めくられたカードにより判明した登場人物の本性を掘り下げたり、そこから次にめくりたいカードを議論したり。人物になりきり、ルールの許す限り嘘や誘導を混ぜつつ会話する。この過程が非常に楽しい。これがマーダーミステリーの受ける理由なのだろう。

ただし LINE 通話で複数同時に発言すると聞きづらい。ビデオ通話と異なり顔がみえないため、誰が議論を手動しているのかを察して意識的に自分を引っ込める必要がある。ゲーム前半はこれが難しくてワチャワチャする場面もあったが、30 分もすると慣れたのか通話もスムーズになった。音声しかないゆえに聞き漏らすまい、言い漏らすまい、という意思が自然と強くなるのもあるだろう。少なくともゲームとして成立するぐらいには上手く通話できていた。

定刻になりゲーム終了。ここで GM から個人チャットがきてメイン ミッションとサブ ミッションについて最終回答する。GM が結果を集計後、グループ チャットにエンディングとなる Web ページ URL が提示された。アクセスすると A 〜 Z までのアルファベットを割り当てられたボタンが並ぶ。これを GM が指示するとおりクリックしてゆくとことでエンディングになる。

ゲーム本編もかなり盛り上がったが、エンディングでは各人の秘密たるサブ ミッションが明かされてゆくため更に白熱。あの怪しい行動はこのためだったのか!二人はそういう関係だったの?などと、一つ展開するたびに大盛りあがりである。

エンディング後、しばらく通話をつなげたまま余韻にひたる。ゲーム進行や考察、各人のなりきり具合などを、いくらでも話していられそうだ。ネタバレ厳禁としている理由がよくわかる。一期一会、この場を共有した人たちでしか分かち合えない空気だ。

まとめ

ゲームとしても技術的な体験としても非常に興味深いイベントだった。LINE 通話で進行、と聞いた時は不安のほうが大きかったが実際にプレイしてみるとこの制約はむしろ好ましくも思える。顔が見えないゆえに登場人物のなりきりに照れが発生しにくい。登場人物の年齢や性別と実際のプレイヤーもバラバラであったが、これも気にならなかった。

昔に話題となった、音声のみでプレイする「風のリグレット」というゲームを彷彿とさせる。これも当時、音声だけで成立するのか?と批判されたものだが立派にゲームだった。意外に音声の情報量は多い。

4 月からコロナウイルス禍により在宅勤務を続けている。私はプログラマーなのであまり業務に影響はないのだが、他の社員、特に対話や物理媒体に依存する作業の多い人は苦労しているようだ。この問題についてソフトウェア的な解決方法を探る際、今回のゲーム体験は役立ちそうだ。

制約を前提として運用を変える。制約を奇貨と捉え、むしろ利用する。こうした試みの成功例として参考にしたい。

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