マインドマップ系ソフト比較
フリーのマインドマップ系ソフトで有用だと思ったものを比較してみる。
もくじ
FreeMind
まずは最も有名だと思われる FreeMind から。
草分け的な存在だけに後発のマインドマップ系ソフトでは FreeMind 形式のファイルを読み書きできるものが多い。3D モデリング系ソフトにおける 3ds、DTM における ACID WAV のようなものか。アプリとしては基本的な機能がだいたい揃っているのでマインドマップ系ソフトの一つの指標になるだろう。
Spec | Value |
---|---|
公式サイト | FreeMind - free mind mapping software |
日本の有志による解説サイト | FreeMind活用クラブ - マインドマップをフリーソフトで |
ライセンス | フリー |
対応プラットフォーム | Windows、Mac OS X、Linux |
対応ファイル | FreeMind |
書き出し | HTML、XHTML、PDF、SVG、PNG、JPEG、Open Office、XSLT |
他のソフトを知るまではこれを使っていた。フリーでここまでできれば十分じゃないか?と思っていたのだが他の魅力的な選択肢を得た今となっては、よほど使い勝手やデザインが向上しないかぎり使うことはないだろう。
このソフトの特徴を、Goo (よい) / Boo (よくない) でまとめてみる。
Goo
- 普及度が高い
- 書き出し形式が豊富
- ノードの移動をサポート
- すっきりした GUI
- メニュー、ツールバー、マップ領域というシンプルさ
- マップ領域がとても広い
- 動作が軽快
- SVG で書き出せる
- HTML5 で本格普及しそうなので、重要になるかも
Boo
- 独特な GUI
- かなの場合、選択ノード上で入力しても編集が開始されない
- 日本語で書くことが多ので、かなりストレスを感じる
- 子ノード追加が Ins キーのみ
- 他のソフトは TAB でもいける
- 馴染みない Ins キーは遠く感じる
- デザインセンスが古い
- Windows 95 頃の雰囲気
- 好みの問題だが私はかなり気になる
- PDF に書き出した場合、マップが画像になる
- ノードのテキストが選択できない
- PDF の意味がない
XMind
現在メインで使っているソフト。
Eclipse 上でマインドマップ書きたいなとググってみたら、そのものズバリなソフトとしてこれが見つかった。XMind はオープンソースとして開発されている。Eclipse をベースとしておりプラグインもある。
Spec | Value |
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公式サイト | XMind - Mind Mapping and Storming |
SourceForge | XMind |
ライセンス | フリーと Pro ( 有償の高機能版 ) |
対応プラットフォーム | Windows、Mac OS X、Linux |
対応ファイル | XMind ワークブック、XMind 2008/2007 ワークブック、FreeMind |
書き出し | FreeMind、HTML、XMind 2008 ワークブック、テキスト、マーカー パッケージ、画像 ( BMP/GIF/JPEG/PNG )。Pro 版ではこれらに加え、Mindjet MaindManager マップ、PDF ( Map )、PDF ドキュメント、POwerPoint 2007、PowerPoint 97-2003、RTF ( Word 互換 )、Word 2007、Word 97-2003 |
現在はフリー版を使っているのだが機能としては十分。書き出しで PDF が Pro 版から、SVG は非対応という点が気になるが、それ以外は大満足である。
最大の特徴だと感じるのが快適なキーボード操作。テキスト エディターに文章を書く感覚でモリモリとマップが書ける。英数・日本語のどちらで入力しても選択ノードの編集が開始されるので F2 を押す手間が省ける。Enter、Tab、Del、矢印キー、文字入力だけ覚えればマウスの出番はほとんどない。
はじめはノードのレイアウトを自由にいじれない点に面食らったが自動レイアウトが優秀なので、むしろこれはキーボードから手を離さずに済むというコンセプトの明示化ではないか?と感じている。慣れてくるとレイアウトなんて任せきりでよいじゃないかと思えてくる。そもそも紙でマインドマップを書く場合、あとからノードを動かしたりしないし。
このソフトの特徴を Goo (よい) / Boo (よくない) でまとめてみる。
Goo
- 快適なキーボード操作
- テキストエディタ感覚でマップ作成可能
- マウスの出番はほとんどない
- Eclipse プラグインがある
- Eclpse 上でマップ生成と編集が可能
- プロジェクトの資料として添付したりできる
- Eclipse を多用するユーザーなら非常に有用
- デザインがよい
- 豊富なノード形式
- きれいなマーカー
Boo
- マップの余白部分をドラッグしてもスクロールにならない
- 範囲選択になる
- 地味にストレスがたまる
- フリー版だと PDF を書き出せない
MindMeister
最後は MindMeister。これは最近 Twitter 上で @makoto_kw さんから勧められた。XMind の素晴らしさをつぶやいていたところ MindMeister という洗練されたマインドマップの Web サービスがありデスクトップ アプリなみに有用なので使ってみてはどうか?とのこと。
元々 XMind がすばらしいという記事を書くつもりだったのだけど、このサービスが非常に面白そうだったので FreeMind、XMind も交えた比較にしてみようと思い立った。
Spec | Value |
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公式サイト | MindMeister |
ライセンス | ベーシック ( 無償で制限あり )、プレミアム ( 有償で制限なし )、ビジネス ( プレミアムに業務用機能を追加したもの ) |
対応プラットフォーム | Windows、Mac OS X、Linux、Web サービスなのでブラウザ次第 |
対応ファイル | MindMeister、FreeMind、Mindjet MindManager、テキスト |
書き出し | MindMeister、FreeMind、MindManager、ドキュメントの概要 ( rtf )、PDF、画像 ( GIF/JPEG/PNG ) |
Web サービスにもかかわらずデスクトップ アプリなみのレスポンスを持ちキーボード操作も快適。クライアントは JavaScript で実装されているので IE よりも Chrome か Firefox で動かした方がよさそうだ。私は Firefox 3.6.3 で利用してみたが、すこぶる軽快である。
フリーの場合はベーシック版となりマップの作成数が 3 つに制限されるのだが、これはオンライン上に 3 つということである。つまり MindManager 形式で書き出す場合は作成数に制限はない。とはいえ Web サービスはどこからも参照できる点が大きなメリットとなるので、そちらを重視するならばプレミアム必須である。上手い制限のかけかただ。
マップの保存は自動的におこなわれる。編集操作が完了したタイミングでサーバーへサブミットしているようだ。ちなみに Ctr + S でも保存が実行される。
驚くべきことにこのサービスではベーシック版でも PDF 書き出しをおこなえる。おまけにマップの内容がきちんとアウトライン化されるので拡大・縮小に耐える品質のマップが無償で作れることになる。この機能のためだけに使いたいぐらいだ。
このソフトの特徴を、Goo (よい) / Boo (よくない) でまとめてみる。
Goo
- Web サービスとは思えないほどの軽さ
- 快適なキーボード操作
- XMind 並
- デザインが洗練されている
- 今風のかっこよいデザイン
- マーカーなども非常に豊富
- マップをアウトライン化された PDF として出力できる
- 感動した
Boo
- かな入力の場合、選択ノード上で入力しても編集が開始されない
- FreeMind と同じでストレスたまる
- から入力の場合、ノード編集のテキストボックスが変換確定までリサイズされない
- ボックスの範囲を超えると自動改行される
- 改行された部分はとても見えにくい
- 地味にストレスがたまる
- サイトのデザインで崩れている部分がある
- メニューの画像がずれてる (CSS Sprite の指定ミス?)
- エディションの概要ページなどが崩れる
- 完成度の高いサービスだけに、目立つ・気になる
まとめ
FreeMind はよくできていると思うが相対評価では XMind と MindMeister に軍配があがる。では後者の 2 つではどちらが素晴らしいのかというと、これは甲乙つけがたい。どちらもキーボード操作が快適なのは共通しており残りは一長一短である。
個人的には Eclipse プラグインを使いたいので XMind を推したい。しかし、MindMeister の PDF 出力にはかなり心動かされたので XMind 中心に使ってゆきアウトライン付き PDF が欲しくなったら FreeMind 形式で書き出して MindMeister を利用するだろう。
最後にこの記事を書くために作成した各ソフトによるマインドマップを公開しておく。それぞれのソフトについて思いついたことをマップの形で書いてみた。
内容物は FreeMInd、XMind、MindMeister 形式のファイルと MindMeister から書き出した PDF を ZIP 圧縮したものとなる。
Comments from WordPress
- 二千の三千百四十 2010-06-18T14:49:20Z
初めまして。
家電量販店に行って来て、マインドマップソフトで”はじめての図解マップ”というものがIRT社から4000円ぐらいで
売ってましたので、買ってきて使ってます。これもキーボード入力で出来て快適です。
- akabeko 2010-06-20T11:33:20Z
キーボード操作は非常に重要ですね。
私が XMind を愛用している理由もここにあります。私の描くマップは登場する語句のほとんどが日本語なので、IME が効いているときでも入力を受け付けてくれるというのは、地味ながらとても助かっています。
他のマインドマップ系ソフトにも、ぜひ取り入れて欲しい機能です。
- DECOO 2010-06-21T03:52:49Z
XMindですが、自由レイアウトはAltキーを押しながら移動すると位置を自由に変更できますよ。
初期は自動レイアウトで、その後移動して使ってます
- akabeko 2010-06-21T14:11:12Z
位置変更もきちんとサポートされていたのですね。これはありがたい情報です。
明示的なキー操作が必要なので、普段は自動レイアウトを妨害しない ( = 不意の位置変更が発生しない ) ようになっていて、あるていどマップが固まってきたあたりで微調整に使用する、ということを想定して いるのかもしれません。
と、位置変更を試していて思いました。
- XMind最高 2011-02-07T05:49:33Z
初めまして、マインドマップソフトの比較とても参考になりました。
全部使ってみましたが、XMindのキーボード操作にやられました。
とても使いやすいです。
特にかな入力中でもノードの編集が直接出来るのは最高です。
ほとんどキーボードから手を話す必要ながないですね。
XmindのBOOポイントの
>マップの余白部分をドラッグしてもスクロールにならない
ですが、右クリックでドラッグすればスクロールになりませんか?
とにかく使いやすいソフトご紹介いただき本当にありがとうございました。
- Tamac 2014-07-09T06:23:31Z
> マップの余白部分をドラッグしてもスクロールにならない
左クリックで長押しするとスクロールできることを発見しましたが、それは連続してスクロール出来ないので残念に思っていましたが、右クリックでドラッグだと最初からスクロールになります!(仕様上無いわけないよな……と思ってました)