ブリューゲル版画の世界へ
電車内の広告でずっと気になっていたブリューゲル版画の世界へいってきた。この展覧会はベルギー王立図書館の協力により、ブリューゲルや同年代の画家の作品を約 150 点も展示している。
2010/7/7 ~ 8/29 まで開催。期間中は無休。前売りは完了している。当日券は大人 1,400 円、大学・高校生 1,000 円、中学・小学生 700 円。空いているとおもったのだが非常に盛況。順路は自然に列となり待ちの不要なコーナーへの案内がおこなわれていた。
会場の構成は以下のように章立てされている。
- 雄大なアルプス山脈の賛美と近郊の田園風景への親近感
- 聖書の主題や宗教的な寓意を描く
- 武装帆船やガレー船の驚くべき表現力
- 人間観察と道徳教訓の世界
- 諺 ( ことわざ ) を通じて知る「青いマント」の世界
- 民衆文化や民話への共感
- 四季や月暦表現で綴る市民の祝祭や農民の労働
- エピローグ
展示では 1 ~ 2 章、5 章がおすすめ。キャッチーな題材と面白キャラクターに心をガッツリとつかまれる。私はこれらを眺めながら、幼いころに愛読していた妖怪大百科を思いうかべていた。
単に版画を並べるだけではなく、キャラクターの一部を抜粋してホログラムシールのような加工を施したり展覧会の広告にも使用されている「大きな魚は小さな魚を食う」をアニメーション化するなど、飽きさせない工夫が凝らされている。特にアニメは一見の価値あり。滑らかな動きがたまらず 4 周ほど見入ってしまった。
版画に登場するキャラクターがどの作品に含まれているかを当てるクイズは、地味ながらも子連れのお客さんに受けていたようだ。風刺や寓意の含まれる作品が多く理解するには注視が必須なため、キャラクターを探すという行為はそのような能力を養う動機づけとして非常に上手いと思った。
おみやげコーナーでは絵はがきが売れていた。近くに版画クイズの用紙に押すためのスタンプコーナーが用意されているのだが、これがなかなか魅力的なので絵はがきに押している人も見受けられた。ちなみに私は以下を購入。
手前から、1 回 300 円のガチャガチャに入ってたフィギア、マウスパッド 1,800 円、ガイドブック 2,500 円。
ガイドブックは愛蔵版が 3,000 円。通常版との違いをたずねたら英語版のテキストを同梱しているとのこと。心惹かれるも画集としてパラ見するのが目的なので通常版を選ぶ。値段の割に内容は非常に濃い。あまり人気はなかったようだが、これを買わずに出るのはもったいないというぐらい気合いが入っている。
しばらく美術館から遠ざかっていたのだけど、ひさしぶりに訪れたら非常に充実した時間を過ごすことができた。今後も面白そうな催しがあれば積極的に参加してゆきたい。